世界に誇る「日本100名城」
「城」とは、おおまかに敵の侵入を防ぐために作られた防御施設のことをいいます。自分の住居の周りに堀や柵を巡らせた「環濠集落」が、お城の先祖といわれ、日本では古くは弥生時代から作られました。
時代によって城の形や建築技術は変化していき、険しい山や海、川などの自然の地形を含めた都市やエリア全体を「城」と呼ぶこともあります。
現在、お城といわれてすぐにイメージできる「天守のある城」が誕生したのは、群雄割拠の戦国時代。「天下布武」を目指した戦国武将・織田信長が築いた安土城が第1号といわれています。
安土城以降は、天守に憧れた各地の大名が次々と天守付きの近世城郭を築き、江戸時代初期までには、日本各地に膨大な数の天守が建てられました。
江戸幕府開府後は、徳川家康が発布した「一国一城令」で、新しく城を建てることが禁止され、さらに修理にも許可が必要だったため、多くの城が消滅。明治時代の「廃城令」や、昭和の戦火でも、さらにたくさんの城が失われました。
現在、日本には曲輪や石垣だけが残る史跡を含め、ゆうに1000を超す城跡があります。天守のある城は90城ほどですが、そのほとんどが復元天守や復興天守、模擬天守などで、江戸時代の前に作られた現存天守は12城。
『日本100名城』は、こうした全国に残るお城、城跡の中でも歴史的、観光地的に意義深い100ヶ所のお城を、2006年に財団法人日本城郭協会が定めたもの。2005年の一般公募によって集められた「名城」候補を、小和田哲男、千田嘉博ら歴史や城郭、建築の専門家・愛好家たちが選定しました。2017年には、『続日本100名城』も登場しています。
こうして選ばれた「名城」たちは、スタンプラリーで巡ることができます。北は北海道から南は沖縄まで、城は津々浦々に点在しているので、移動には徒歩を含め、車や電車、バス、飛行機などさまざまな交通機関を使いましょう。また、多くの城が山や丘陵など標高の高い場所にあるので、移動距離や登山靴などの装備、スタンプ開設所の締め切り時間などにも注意する必要があります。旅行会社が提供する「100名城ツアー」などの旅行プランを利用するのもいいかもしれません。
現存12天守の場所
現存12天守