戦国時代の小田原城
小田原城址公園の西側、県立小田原高校の隣に「城山公園(海と城の見える丘)」という高台があります。ここは戦国時代における小田原城本丸跡。散策路などが整備され、相模湾や小田原城が一望できます。
現在の小田原城を訪れたら、少し足を伸ばして城山公園内に残る「小峯御鐘ノ台大堀切」を見学してみましょう。この堀は3代当主・氏康の代に築かれた三の丸の堀跡。本丸から近い順に東堀、中堀、西堀の3本の堀が並んでおり、氏康時代の後、より強固で強大になった「総構」の一端を見ることができます。
総構とは、堀や土塁で城下町ごと城を守る防御ラインのことで、小田原城の惣構は、総延長約9kmにもおよぶ巨大なものでした。
全国に広まった北条氏の総構
小田原征伐後、小田原城は規模が縮小され、大部分が取り壊されましたが、北条氏の城下町ごと城を取り囲む巨大な総構は大名たちの記憶に残り、全国へと広がります。秀吉も京都に「御土居(おどい)」という巨大な総構を造りました。
ちなみに、日本最古の総構は今のところ荒木村重の居城だった有岡城といわれています。また、総構の総延長距離の全国1位は江戸城、2位は小田原城、3位は豊臣期大坂城とのこと。
小田原城には、まだまだ石垣の積み方や城下町の仕組みなど、注目ポイントがたくさんあります。小田原市、周辺の北条氏ゆかりの市町内にも歴史を感じる遺構がたくさん残っているので、まち歩きがてら史跡や観光スポットをめぐってみましょう。